『死にたくなったら電話して』を読んで おすすめする人・感想
「死にたくなったら電話して」
李 龍徳
定価: 850円
◆おすすめする人
・不思議な魅力のある人が好きな人
・ハッピーエンド、バッドエンドに飽きた人
・モヤモヤした気分にひたりたい人
◆感想
不思議な読了感です。最初読み終えた時は自分の中で納得できずにモヤモヤしました。
主人公の徳山が、ハツラツとは反対の、気だるさを持ちながら行き着くところまで流れていく感じは、読んでいてモヤモヤとしてきます。
一方のヒロインの初美は、「世界に期待しない」という気持ちを持ち、全力で反発したりしていたのが、だんだん全力でやること自体からも離れて、何もしない、食べることもしないでいく対比は面白いです。
「世界に期待しない」先導者と流れ者が、行き着く先が「何もしない」という結果。山籠りの仙人の様な崇高な行動と一緒のことをしてるのが、二人の意思だからハッピーエンドなのか、意思もない状態になってるバッドエンドなのか分からなくさせます。
こんな本なかなか出会えないです。